ダウン症の赤ちゃんが産まれる確率はどれくらい?30代・40代の高齢出産で後悔しないための知識

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最近は高齢で出産する人が増えていますが、高齢出産は産まれてくる赤ちゃんがダウン症になる可能性が高くなると聞いて、不安を感じている人もいますよね。でも、具体的にどれくらいの確率で発生するのかまでは把握しておらず、イメージだけで不安になっているのではないでしょうか。

そこでここでは、ダウン症と年齢の関係についてわかりやすく解説していきます。ダウン症の赤ちゃんを産んだ人が後悔しているかどうかや、健康な赤ちゃんを産むためにできることなども、あわせてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

高齢出産でダウン症の赤ちゃんが産まれる確率

※スマホで横スクロール出来ます。

年齢ダウン症染色体異常
201/16670.060%1/5260.190%
251/12500.080%1/4760.210%
301/9520.105%1/3840.260%
311/9090.110%1/3840.260%
321/7690.130%1/3230.310%
331/6250.160%1/2860.350%
341/5000.200%1/2380.420%
351/3850.260%1/1920.521%
361/2940.340%1/1560.641%
371/2270.441%1/1270.787%
381/1750.571%1/1020.980%
391/1370.730%1/831.205%
401/1060.943%1/661.515%
411/821.220%1/531.887%
421/641.563%1/422.381%
431/502.000%1/333.030%
441/382.632%1/263.846%
451/303.333%1/214.762%
461/234.348%1/166.250%
471/185.556%1/137.692%
481/147.143%1/1010.00%
491/119.091%1/812.50%
国立成育医療研究センター

それではまず年齢別に、ダウン症やなんらかの染色体異常をもつ赤ちゃんが産まれてくる確率を見ていきましょう。年齢が高いほど、ダウン症や染色体異常のリスクが上がることが、上の表からも分かってもらえるかと思います。

35歳を超えて赤ちゃんを産むことを高齢出産といいますが、25歳と35歳ではダウン症リスクが3倍以上も違っています。さらに41歳以上では100人に1人が、ダウン症の赤ちゃんを産む可能性があります。なぜこのようなことが起きるのか、詳しく見ていきましょう。

高齢出産がハイリスクになる理由

私たちの体の細胞は46本の染色体を持っており、精子と卵子はそれぞれ23本の染色体で構成されています。受精することでそれぞれの染色体が合わさって、46本の染色体を持った受精卵ができ、受精卵が細胞分裂を繰り返して赤ちゃんへと成長していきます。

ところが卵子が老化していると染色体の不分離が発生しやすく、本来23本のはずの卵子の染色体数が24本になり、その卵子が精子を受精すると染色体が47本の受精卵ができてしまいます。このとき21番染色体が1本多かった場合に、産まれてくる赤ちゃんがダウン症になります。

卵子の老化は女性の年齢とともに進んでいくため、出産が高齢になればなるほど、ダウン症を含む染色体異常のリスクが高まるというわけです。さらに高齢出産にはダウン症以外にも、下記のようなリスクがあります。

  • 母親が病気にかかりやすくなる
  • 胎児が低栄養状態になりやすい
  • 難産になりやすく流産の確率も上がる

さらに出産後に母親に十分な体力がなく、子育てで疲れやすくなるといったリスクもあります。ただし高齢出産をすると、必ず何らかの問題を抱えるというわけではなく、あくまでもさまざまな面でのリスクが高くなるというだけです。

最近は芸能人でも高齢出産をする人が増えていますが、高齢出産に対する医療技術が進歩していることもあって、ほとんどのケースで問題なく出産できています。

男性が高齢でもダウン症赤ちゃんが産まれる可能性もある

高齢出産では母親の年齢だけが注目されがちですが、ダウン症は精子の遺伝子に問題がある場合でも起きます。このため、母親が若くても父親が高齢だった場合には、ダウン症の赤ちゃんが産まれてくる可能性もあります。

さらにマウスレベルでありますが、父親の高齢が子どもの発達障害にもつながるという論文も発表されており、赤ちゃんが遺伝性疾患を抱えて産まれてくる原因は、必ずしも母親だけにあるわけではないことがわかっています。

ダウン症の赤ちゃんを産んだ人たちの声

ここまでの説明で、高齢出産がダウン症のリスクを高めるということを理解してもらえたかと思いますが、本当の問題はリスクを踏まえたうえで、自分がどう決断すればいいのかということですよね。

ダウン症の赤ちゃんが産まれたときに後悔することになるのか、それともダウン症であっても出産を後悔しないのか、実際にダウン症の赤ちゃんを産んだ人たちの声を見ていきましょう。

後悔したという声

Twitterで調べてみると、後悔した理由が人によって異なるようです。多かったのは出生前診断を受けなかったことへの後悔です。ただ出生前診断を受けたところで、ダウン症だとわかったら、産んでも産まなくても後悔したという声もありました。

産まれてきた子がダウン症で、育てていく過程で後悔しているというケースもあります。ダウン症の子どもを育てることに疲れていて、どこか諦めに近いものを感じるつぶやきもあり、ダウン症の子育てがいかに大変なのかが伝わってきます。

後悔していないという人の声

ダウン症でも自分の子どもだからかわいいし、産んで良かったという声がいくつもありました。出生前診断でダウン症だとわかっていて産んだという人もいますが、子育ての苦労も覚悟したうえでの出産ということもあって、ダウン症の子どもときちんと向き合えているケースが多いようです。

本音を知ることは難しいのが実情

Twitterでは「後悔した」という人よりも、「後悔していない」という人のつぶやきのほうが多く見つかりましたが、そもそもTwitterなどのSNSは「子どもがダウン症で後悔している」とはつぶやきにくいことも影響しています。

実際に後悔する気持ちもありながらも、自分の子どもだから愛情もあるので、意識的にポジティブな気持ちを投稿している可能性があります。

また、ダウン症の症状は人によって異なるため、子育てをするうえでの負担の大きさも人によって違ってきます。軽度のダウン症だった場合には後悔よりも愛情が上回りやすく、重度のダウン症だった場合とは結論が変わってきます。

ダウン症の赤ちゃんを産んだときに後悔したかどうかについては、親しい間柄であっても本音を語ってもらえるのは難しいので、SNSやインターネットの記事などは参考程度と考えておき、最終的な決断は自分で責任を持って行うようにしてください。

ダウン症の子育てはどんな難しさがある?

ダウン症の赤ちゃんを産むかどうかの決断は自分たちでするしかありませんが、そのためにはダウン症の子育てにどのような大変さがあるかを知っておく必要があります。ここでは、子どもがダウン症だとどのような子育てになるのかをご紹介していきます。

合併症のリスクが高く頻繁に通院することになる

ダウン症の赤ちゃんは合併症になる可能性が高く、40〜50%の確率で先天性心疾患を合併します。他にも循環器や消化器にトラブルを抱えることも多く、感染症にかかりやすいといった特徴があります。このため、ダウン症の子は定期的なチェックが必要になり、頻繁に通院しなくてはいけなくなります。

筋緊張低下により授乳が難しく不安になる

ダウン症になると筋緊張低下により、母乳や哺乳瓶のミルクを上手に飲むことができず、授乳に時間がかかります。さらに吸う力も弱いので1回に飲む量が少なくなる傾向にあり、体重が思うように増えていかないのもあって、親が不安になってしまうケースがあります。

周りの子どもとくらべて成長の遅れが気になる

ダウン症の子どもは、同年齢の他の子どもよりも成長が遅くなります。個人差が大きいのですが、何をするにしても周りの子どもよりも遅く、なかなか首が据わらなかったり、寝返りをうたなかったりします。いずれできるようになるとわかっていても、親としてどうしても遅れが気になってしまいます。

肥満になりやすく食生活や運動に気を使う必要がある

運動量が少なく、ご飯や麺類などの炭水化物を好む傾向にあることから、ダウン症の子どもは小学生に入学するくらいから肥満の問題を抱えます。肥満になると生活習慣病になるリスクが高まるため、親は肥満にならないような食生活や運動を意識する必要があります。

親のサポートが不可欠になる

ダウン症になると、日常生活を送るだけでも親のサポートが必要になります。それが親の負担やストレスになるだけでなく、親にとっては自分たちが先に死んでしまったときに、子どもがどう暮らしていくのかという心配を常に抱えることになります。

ダウン症などの染色体異常の予防方法

子どもがダウン症であっても後悔していないという人も、ダウン症ならではの子育ては親の負担が大きく、人によってはとても耐えられそうにないと感じているかもしれません。できることなら、ダウン症などの染色体異常を回避して出産したいという人も多いはず。

そこで、ここでは産まれてく赤ちゃんが、ダウン症などの問題を抱えることなく出産するための方法をご紹介していきます。

妊娠前から葉酸を積極的に摂取しておく

100%ダウン症を防げるというわけではありませんが、妊娠前から葉酸を摂取することにより、ダウン症になる確率が下がる可能性もあるといわれています。

少なくとも葉酸は神経管閉鎖障害の予防になることがわかっており、神経管閉鎖障害のある赤ちゃんを産んだ母親は、ダウン症の赤ちゃんを産む可能性が高いことも判明しています。

葉酸は鶏レバーやモロヘイヤ、ほうれん草などに多く含まれており、造血に必要な栄養素でもあるので、貧血になりやすい女性はダウン症に関係なく摂取が推奨されています。

外食が多く、食事から葉酸を摂取するのが難しいという場合には、サプリメントも活用して積極的に摂取しておきましょう。

ただし葉酸の過剰摂取は、亜鉛の吸収阻害などを引き起こす可能性があります。そうならないためにも、サプリメントを活用する場合には、かかりつけ医に相談したうえで摂取してください。

ストレスの少ない健康的な生活を心がける

ダウン症は染色体の不分離が原因で起こるとお伝えしましたが、高齢になるほどリスクが高まることを考えると、親が健康的でストレスも少なく、心身ともに若い状態にあることで回避できる可能性があります。

結婚したら健康的な生活習慣を心掛け、栄養バランスに優れた食事や程よい運動を継続してください。さらに睡眠もストレスフリーの生活には不可欠ですので、夜ふかしすることなく、しっかりとした睡眠時間を確保してください。

エビデンスがあるわけではありませんが、健康であることでマイナスになることはありません。思考もポジティブになりやすく、もしダウン症の赤ちゃんが産まれたとしても、心身ともに健康であれば、気持ちの切り替えもスムーズに行えるといった効果も期待できます。

出生前診断を受診する

上記の2つの方法は妊娠する前のダウン症対策としては有効でも、すでに妊娠をしている場合にはダウン症を回避することはできません。すでに妊娠がわかっているのであれば、出生前診断を受けて、胎児にダウン症などの染色体異常がないか調べましょう。

  • 羊水検査
  • 絨毛検査
  • コンバインド検査
  • 母体血清マーカー検査
  • NIPT

出生前診断にはこのような種類があり、ダウン症かどうかを確定できるのは羊水検査と絨毛検査のみとなっています。ただし、羊水検査も絨毛検査も検査をしたことで流産する可能性があるため、できれば利用したくないという人もいますよね。

そこでおすすめなのが、最近注目されているNIPTです。NIPTは妊婦の血液から染色体異常を調べるため流産のリスクがなく、10週目から検査可能なので、早い段階で赤ちゃんの状態がわかります。ただし非確定的検査ですので、陽性だった場合には羊水検査を受ける必要があります。

いずれの検査方法にもメリット・デメリットがありますので、高齢出産でダウン症が心配という人は、かかりつけ医に相談して出生前診断について詳しく説明してもらいましょう。そのうえで、自分が納得した方法で胎児に問題がないか調べてください。

まとめ

出産は高齢になればなるほど、赤ちゃんがダウン症になるリスクが上がります。私たちの体がそのようにできているため、ダウン症を100%回避する方法はなく、ダウン症そのものを根本的に治療する方法もありません。

実際にダウン症の赤ちゃんを産んだ人の多くが、SNSで「後悔していない」と投稿していますが、それはSNSで弱音を吐きたくないだけで、実際には産んだことを後悔する人もいますし、将来への不安を抱えている人も少なくありません。

そうならないために、まずは妊娠前から規則正しく健康的な生活を心掛けておき、高齢で妊娠した場合には出生前診断を受診しましょう。NIPTなら羊水検査のような流産のリスクも少なく、安全に検査を受けられるので、ダウン症が気になる人はNIPT対応施設に相談してください。